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HANGGLIDER​

ハンググライダー。20数年、長いことやってました。多くは静岡県朝霧高原エリまで通ってました。

朝霧高原はスカイスポーツがとても盛んなところでそこを開発したクラブ「西富士友の会」に所属してました。

これはハワイ、マカプーでの古い写真なんですが、めちゃ安定した海風で何時間でも飛んでいられるとこです。

朝霧高原フライト記(1990年頃)

この頃6月の初旬って晴れればとても暑いんだけど、上空には寒気が入ってきていいフライト日和が続きました。 この日も忘れられないフライトになりました。

 

今日もフライトコンディションはよさそうだということで購入してきたレリーズつき (当時はこれがついたのがなかなかなくて) のフィルム自動巻き上げ式コンパクトカメラを翼端にセット。

結構セットするのが面倒なのでせっかくセットしてもコンディションが悪くて枚数撮ることもなく、すぐに降りてきてしまうとガッカリです。

6月の炎天下、 裸でグライダーをセットアップ。汗だくだく。   しばらく汗を引くため木陰で一服。

先に飛び出してるグライダーもまあまあ上がってる様子。そして、この暑いのに上着は上空の寒さのためにダウンジャケットを着ていよいよテイクオフ。  

カメラをセットしてんだから、 ぶっ飛び(すぐに降りてしまうこと)なんか出来ないぞと気合を入れて飛び出す。

そして順調に上がりだし養毛山の中腹に着く。そこでおいしいサーマル(上昇気流)を見つけてセンタリング(旋回)。4,5回ほど旋回して下を見ると、 あれ、山から離されている。ずいぶん流されているよう。グリーンパーク上空じゃないか。

山に戻ろうとすると、進まないんだなあ。山からの向かい風がえらく強い。養毛山のトップの高度でこの強い西風。 ちょっと怖い。 

山からのローター(乱気流)があるはず。 いつローターが来るのか、びくびくしながらも山に向かいます。  

 

グライダーは強い向かい風の中じわじわと山に向かっていきます。それも安定して上昇していきます。そして養毛山の上まできてひとまず安心。 この高さまでくればとりあえずローターはないだろうと。 それで今度は隣のさらに高い毛無山(1964m)へ向かいます。

 

強い西風のためにカニの横ばいみたいです。もっと強力なローターがあるはず。 びくびくしながら。しかし、この山にしてどうしたんでしょうか。めちゃくちゃ安定して上昇しています。

そして、近年増えてきたパラグライダーがまだ少ない毛無山上空までエスカレーターに乗ってるような安定した感じで上がっていきます。でもどうしたんでしょかね。なんかいつもと違う。山から離れて平野部に出ても上昇気流帯は続いてました。

んっ!!あっ。以前、誰かが言ってました。ウェーブです。あの幻のウェーブなのです。風の向きや強さ、山の地形などの条件でウェーブと呼ばれる安定した上昇気流帯ができるそうな。初体験です。うわーい。やったぜーって感じ。なにをびくびくしてんだよ。まったくー。

よっしゃー写真、写真。 カメラに向かってニコッ! ここで翼端にカメラセットのハングフライヤーのためにアドバイス。 水平飛行状態でカメラ写しても背景は空だけになってしまいます。

やはり高度感を出すには地上の景色が欲しいのです。

グライダーをバンクさせて、カメラに向かってニコッ。これって顔の向きが逆向きで気持ち悪いけど写真はいい感じとなります。でも他のグライダーに気をつけてください。背景に本栖湖や田貫湖を撮りいれてパチっ。

それから他のグライダーより高く上がって、いや、自分の下にグライダーがはいってきたら、いい鴨とばかり、その○○君のグライダーを背景にパチッ。後で○○君に写真を見せてあげる。

 

平野部にでて、行楽の車で混んでる 139号線や、 遊園地などの上空で旋回 。下では子供どもが「パパーあれ何?」とこちらに向かって指さして大騒ぎ。と身勝手な想像しながら旋回サービス。でも高すぎて気が付かないだろうな。

でも山々の頂上付近にはいつもハイカーがいてお弁当なんか食べてる。ときには上空から大きな声でヤホーと声をかけると手を振ってくれるのが見える。なんか同じアウトドア派の人たちにこんな所でと親しみを感じる。

 

そんな感じであっちこっち遊びながらランディング地(着陸地)より最高2200mの高度で天子岳、毛無山間(およそ10km)を2往復を2時間ほど飛行。ランディング場を見ると2機しか降りてない。  

そろそろ皆降りてくる頃だから混まないうちにさっさと無事にランディング。上空では結構寒かったのですが暑い下界に降りてきてからは体を包まってくれてるハーネスやジャケットを剥ぎ取るように脱いで一服。

「ねぇー、ウェーブあったよね?良かったねぇ」、「うん、あそこでさあ」とビールを飲みながら皆、大騒ぎです。 

 

仲間が次から次へと疲れた感じで降りてきます。体力を使い果たしてしまったのでしょうか、ランディングへの集中力がないようでクラッシュランディングが続出です。

体の打ち身とか、すり傷は自然に治るけどグライダーは壊すと金がかかる。おい、おい!一生治んねえ怪我だってあるぜ。

 

おーい、気をつけろよ。

ガチャーン!!

これが見ててまた面白いんだなあ。

 

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